会場の湯来南公民館に着くと、すでにほぼ満席状態(前の記事の写真)、区役所の獣害(じゅうがい・・・全く、農業用語は、ワープロ辞書にありません なぁ~)対策課の方からの挨拶と講師紹介の後、講師である井上雅央氏(独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構近畿中国四国農業研究センター鳥獣害研 究チーム長)による、「こてこての関西弁」の軽妙な語り口による、とてもわかりやすい講演。
軽妙ではあるけど、中身はとても斬新かつ「目からウロコ」ものでした。
曰く・・・今日の皆さんの前は話しやすいなぁ~、前の方にネクタイ締めたエライさんがずら~っと並んではるとこは、ハナシにくぅてかなん・・第一、話したことが成果あったためしあらへん。
曰く・・・そういう「エライさんが、前の席にずら~っと・・・」の地区では、見当はずれの対策ばかりしよってからに、ちっとも効果あがりよらん・・むしろ逆効果や。行政が何千万、何億ゼニつっこんでも、方向がまちごぉとるさかい、裏目裏目にでよんねん。
で、 結論的としては、「野猿被害対策の要諦は、とにかく『餌付け』をやめること、しかも、地域住民全体の協力でやる」ことに尽きる、これができてなくて、いく ら電柵(でんさく・・これくらい、ワープロに入れて欲しなぁ)やら、そのほかいろんな高価な対策しても、逆効果だけである。」
さらに、電柵や花火による威嚇についての具体的な説明があったのだが、その中で、かなりキワドイ事例もあったので、ぜひとも、それをここで紹介したいのではあるのだが・・・。
こ の事例についてお話になる前に、「だれかビデオ回しとらへんやろな?」と、半ば冗談っぽく、しかし眼光鋭く会場を見渡したあと、「いや、こないだこの 話したら、動物愛護団体から苦情きましてん」・・思わず何だろう・・と、ますます注目度が上昇してしまうのを見計らって、一気に話されたその内容と は・・・
ここで、再び「続く」とやったら、ブーイングの嵐(!)に襲われそうなのですが、講師の先生がそこまで警戒なさったその「事例紹 介」を、やはり半ば公開であるこのHPに載せるのは、少々ためらわれます。そこで、今回は「続く」ではなくて、最後にひとつ、別の話題を付け加えて、最後 は「完」としますね。
「最後に、ひとつだけ質問を受けます」との司会者の言葉に促され、講演冒頭から訊ねたかったことがあったのだが、一瞬ためらっているうちに隣の方が手を上げて、別の質問をなさった。
講演のあと、近くの現場にみんなで移動し、電柵についての実地指導がありました。それが終わって、皆さんからの多数の質問が一応終了したあと、やっと「二人っきり」になったのを見計い、意を決して先ほどの「聞きそびれた質問」をぶつけてみた。
「講演の冒頭でお話になった、『エライさんが来てると、行政が何億突っ込んでも・・』というハナシ、少々利権の匂いがしますね」
「少々の匂い・・・どこのハナシちゃうで、あんさん!モロ利権がらみや・・・あいつら、予算だけ引っ張ってきよって、自分らのフトコロにゼニ転がり込むことに、この「獣害対策」利用しよる・・・ホンマけしからんやっちゃ!」と、吐き捨てるように。
こ の質問、もし、小生自らの気の弱さをかなぐり捨てて講演会場で発してたら、果たしてどのような返答をなさったのであろうか・・・やはりしてみればよかった・・い や、やっぱし・・・と、先ほどの「動物愛護団体」云々の強烈な印象と相俟って、私の中で悶々がうずまきつつ、つるべ落としの秋の田園の一日は暮れ行くのであっ た。
(完)