さごたに通信

2014年8月30日 11:52:55 カテゴリ: 未分類

11年の空白を思い切って遮断すべく、思いきって東京、そして古巣のつくば(つくば研究学園都市)を訪ねた2泊3日の小旅行だった。

出発した27日(水)から夕闇せまる岩国・錦帯橋空港に降り立った29日(金)まで全て通して書くと、それこそいまだに終結をみていない「伯耆大山」の何倍かの量になろうかと、懸念されます。

そこで、まずは、印象的だった体験から、思いつくままに簡略に書き始め、最終的にはそれらがつながって旅の全貌が浮かび上がる…というスタイルにしようかと考えています。
まず最初は、標題に示しましたように、つくばを離れる前の最後のわずか1年余りを暮らした一戸建てアパートの訪問記です。

全くの偶然のいたずらでした。17年前の記憶はわりかしはっきりしていて、そのアパートは迷うことなく探し当てました。かなり草茫々となった道を進んで、いくつかの集合家屋の中からそれらしきものを探し当てると、一人の少年が家の前でひとり遊びしていました。
当初は、家の外観をスマホカメラで撮って、さっさと立ち去る…くらいに考えていたのですが、ここに、あきらかにそのアパートの住人と思われる少年に向かって、思いきって声をかけたのです。
「怪しいモノじゃありません。17年前にちょっとだけここに住んでた者です。お母さんはお家にいらっしゃいますか?」

少年は、少しためらった後、それでも母親を呼び出して引き合わせてくれた。(このヘンなオジサンと、ボクの大切な母親を、できれば係わらせたくないな・・・)という、息子らしい思いやりが感じれられて、微笑ましかった。

玄関に出ておいでになった母親は、少年とは対照的にとても気さくかつ社交的に対応してくださり、一時広島県のある小都市にお住まいだったこともあって、すっかりうちとけて下さった。「子供が5人もいますよのよ、ははは・内、下の二人は遊びに出てますけどね」。そういえば、先ほどからその最初の少年以外にも何人かが珍しそうに、入れ替わりのぞきに来てたのに気づいた。それがすべて男の子だったので、「ひょっとして5人とも全てぼっちゃんですか?」と訊ねると、「いえ、一番上だけが娘で高校生です。Mちゃ~ん、出ておいで~」

高校生の女の子なら、たいていは恥ずかしがって出てこないもんだ・・・と、半ば諦めていた矢先、あっさり目の前に現れてくれた少女はお母様に似た美形で、やはり母親譲りの社交性を発揮して、私からの不躾な問いにもテキパキと答えてくださった。

そのあと、子供さんたちも交えて、ここでの17年も前の、我々(当時は、一緒に暮らしてくれていた女性がいたのです、はい)1年足らずの暮らしについて語り、相手のご一家は、ここに引越しするまでのご主人の転勤についてお話くださり・・・で、すっかり時間も経ち、最後に写真を撮らせていただいた。

「この懐かしいお家を背景に撮らせていただいて、それをブログに載せたいんですけど、よろしいでしょうか?」

「いいですよ・・・ただし、表札とか入らないように配慮して下さいね。」

ということで、この写真である。

聡明かつ社交的なな母親に率いられた、明るいご家庭・・・今の私には望んでも得られない、その、恐らくは人生で最も貴重な境遇を、ちょっぴりうらやましく感じつつ、ちょっと離れたところに停めたレンタカーに戻った。

つくば市で最後に住んだ戸建てアパートにて

つくば市で最後に住んだ戸建てアパートにて

その家の前を通り過ぎるときに、皆さんが全員が、まるで私の通過を待ってくださっていたのかのように、大きく手を振ってくださった。

不覚にも・・・・落涙 → 嗚咽しながらの運転になった。

「また、ぜひ寄って下さいね、今度は連絡を下さってからね」という、お母様の優しいお言葉が、頭に渦巻いた。

2014年8月20日 06:03:45 カテゴリ: 未分類

一眠りしてたら、あっという間に九日たってしまいました(大笑)。

伯耆大山、記憶がまだ辛うじて鮮明なうちに書き続けます。

——-

その「不気味な予感」は、6合目を過ぎていよいよ山頂に近づいたころに的中し、「暴風雨」は、これまでの「下山者のメッセージ」や、それを元に構築したアタマの中のイメージではなく、正真正銘の現実となった。

特に9合目を過ぎて、高山植物保護のために設置された木道(もくどう)が現れてからが、雨風共にすさまじくなった。高山(といっても、せいぜい1700mくらいで、他の地域の登山者からは笑われそうですが・・・)特有の潅木に埋もれて進んでいくうちは、それほどの風当たりではないけど、木2014080513330000道の上にのってしまうや、ものすごい雨風(あめかぜ)にさらされ、それこそ木道に付設された手摺ロープにつかまってないと、この「メタボちょい手前」の私でさえ吹き飛ばされそうになる。いや、比喩的な意味でなく実際に。

「大山頂上 0.5km」の看板のあるところまでさしかかったところで、やむなく引き返すという苦渋の決断を下す。私は、一人暮らしの気楽な身の上、子供たちも自立しているから、まあ、どうなってもいい。でも、カメラマン(兼ドライバー)クンには、つれあいも、まだ独立していない子供もあるのだ。

それでも、カメラマンくん、その暴風雨の中でカメラを取り出して、私の勇姿(?)を写そうとする。たいしたプロ根性。「危ないからやめろ!吹き飛ばされるぞ!カメラが濡れてダメになるぞぉ!」という、被写体である私からの呼びかけも、声は風雨に消されて全く聞こえないものの、ジェスチャーでわかってるはずなのに、それでも2枚、3枚・・・と、一向にやめてくれない。やむなく、こちらもつられて、ポーズをとる・・・といっても、ひたすら手すりロープにつかまるばかりで、全く様にならない。

「大山山頂 0.5km」の看板付近の木道にて

「大山山頂 0.5km」の看板付近の木道にて

潔く引き返し始めた直後、いかにも無敵といったオーラをかもし出して山頂に向かう青年2人とすれ違う。「こんにちは、がんばってね、気をつけてね!」このにぃちゃんらは、この悪天候の中でも、いとも簡単に山頂に立ってしまうんだろうな…と、若干の(いや、かなりの)ジェラシーを覚えてしまう。

夏山登山道2合目付近の木道が美しかった

夏山登山道2合目付近の木道が美しかった

濃霧で視界の利かぬ急斜面の、しかも小石がごろごろして歩きにくい下山路を、ゆっくりゆっくりと降りる。すると、背後から人の気配が。

さっきの二人組である。「えっ、もう山頂まで行ってきたんですかぁ?」「いや、あの看板のところで諦めて引き返しました。」「あ、それが賢明な判断ですよね」内心では、この若者たちでさえ断念したことに、深い安堵と若干の勝利感(?)を味わいながら…しかも、彼らも我らと全く同じ場所で断念したのだ!

少し下ってから、さらにさきほどの6合目を過ぎてからは、ウソのように風もピタリとやみ、薄日さえさしてきて、相棒と「これからまた登るかい?」などど軽口を交わしたりしつつ、ドライバー君の愛車が待つ南光河原駐車場に戻った・

 

 

 

(続く)

2014年8月17日 05:45:48 カテゴリ: 未分類


「広島のトップガン二人が、社会と宇宙の構造を語る」
( 9・14(日)広島国際会議場 ダリアの間 )KONICA MINOLTA DIGITAL CAMERA

なんだか、気恥ずかしくなってしまうようなこのキャッチコピー、実は小生ヒゲしげ(講演でのHNは「さごたに仙人」)が考えたのではなく、相棒である畝さんがこさえたものです。最初にこれを見せられたとき、「恥ずかしいから、差し替えよぉよ」と主張したのですが、平素万事に柔軟な畝さん、なぜかこのときばかりはまるでがんこオヤジのごとく、文字通り「ガン」として譲りませんでした。

ま、とにかくこの「二人のトップガン」とやらが、大胆にも講演会をやらかすわけです。皆様、おヒマがありましたら…いやいや万障繰り合わせてでも会場にお運び下さいませ。驚き+発見+若干の感激、お約束いたします。

写真:講演会用のポスターを撮影したもの。クリック→拡大してご覧下さい。

本件に関するお問い合わせについては、下記にお願いします。
ネクストモーション 0823-73-7314 info@nextmotion.org

2014年8月11日 04:59:31 カテゴリ: 未分類

全行程、ほぼ掲示板(8・5)に書いた予定とおりに進行し、その意味ではさしたるハプニングもなかったとも言えるのですが、でも「辛うじて生還」という下山直後の表現が決して大袈裟ではない根拠も、ちゃんとあるのです。

5日午前5時半(以後、軍隊並みに0530という表記を使います)、予定を30分遅れで出発し、西風新都(せいふうしんと、約20年前、広島市の北隣に開発された巨大団地、かのサンフレッチェのホームであるビッグアーチ=現エディオン・スタヂアム=がある)で、カメラマン(兼ドライバー)クンと落ち合って、山陽道→広島道路→中国道→松江道→山陰道(とは名ばかりの、バイパスの寄せ集め)と高速道路をつないで走ること約3時間で大山寺に到着。今夜の宿泊を予約している宿坊「山楽荘」に到着の挨拶だけして、大山夏山登山道の南光河原登山口駐車場を出発したのが0905、多くの登山客はとっくに出発していた様子で、3合目(標高約1100m)まで上がると、すでに下りてくる人々に出会い始める。

「もう山頂まで往復されたんですか?」と訊ねると、多くの方が「いえ、強風でやむなく途中で引き返しました」とおっしゃる。えっ、強風?!

登山途中、3合目付近の木道(木橋?)にて

登山途中、3合目付近の木道(木橋?)にて

ふもとの大山寺は晴れていて、風もほとんど感じられなかった。ただし、去年秋に来たときには山頂までくっきりと見えていたのが、今日は3合目あたりから上はほぼ全面的に霧(雲?)に覆われている。

なんだか、信じられないというか、不気味な予感がしてくる。

(書きかけですが、ここでいったん掲載し、一眠りしてから続けます。)

2014年8月7日 02:30:12 カテゴリ: 未分類

皆様の、そして恐らくは大山大智明大権現のおかげ様にて、辛くも無事生還しました。生還したからこそ、ここに報告を書き始めておるわけであります。

昨年(2013年)は、11月は台風襲来による大雨で、登山口で引き返す憂き目に。リベンジを・・・と再挑戦した11月には快晴でお山もくっきり、勢い込んで登山を始めたところ、4合目(標高約1200m)あたりから登山道に雪が出始め、アイゼンなどの雪用装備を持参しなかったために6合目(約1400m)であえなくギブアップして下山、そして、今度こそは「3度目の正直」とばかりに挑んだのですが・・・

結果は「9合目手前でまたもやギブアップ⇒下山」、かの生徒さんのシャープなひとこと「2度あることは・・・」がまさに具現したのであります。

まさに、大山オソルベシ・・・であります。

それでは次章からは、その顛末をぼつりぼつりと書き溜めていくことにいたします。
本編は、当然「登山開始から、無事下山まで」でありますが、それで終らないのが、いつもの珍道中、そしてこの「さごたに通信」の定めなのであります。
ひょっとして、シリーズ「下関にて」(2012年2月)を凌ぐかも・・・いや、大いに可能性大であります。どうぞ、気長にお付き合いくだされば幸甚であります。

写真:大山9合目直前のザマ・・・写真右側(本人の左手側)から、推定風速30mの強風にさらされ、木道フェンスのロープにつかまってないと、とても立っていられない状況(同行してくれたカメラマン(兼ドライバー)君が、文字通り「決死の覚悟」で撮ってくれました)