昨日の朝、急に思いついて伯耆大山まで往復して来ました。大したハプニングもなく、ただ次回の単独運転のための参考記録みたいなものですから、さして面白くないと思います。
—–
最近見たNHK-BSの番組「グレート・トラバース」に触発されてか、この時季の「雪に覆われた伯耆大山」をむしょうに見たくなり、朝になって急に思いついて「登らずに見るだけの一日往復大山行き」を計画した。一昨年以来これまで3度挑戦して一度も登頂を果たしていない因縁の山だけど、雪深いこの時季の登頂は、この私にはどだいムリである。これまでの3回常に同行してくれた「運転手兼カメラマン」君を誘ったが、夕べから体調不良とのことで行ってくれない。
延期も考えたが、週間予報や自分の今週の予定などを勘案して、それに「雪の大山を早く見たい!」という衝動にも突き動かされて、ついに単独での往復運転を敢行した・・・という次第。
急に思い立ったので、「せっかくの晴れかだら洗濯を・・・なぁに、18時までに帰り着けば、出しっぱなしでも大丈夫さ」やらなんやらで、出発は9時過ぎてしまった。
家から20キロ弱で西風新都ICから高速へ。このところ、高速はもっぱら「さくら」ちゃん(昨年8月に購入したダイハツ・コペンにつけた愛称。最近は「まおちゃん」とも呼んでいる))の出番で、大山での雪道に備えてやむなく駆り出した「トラにぃ」(ワゴンR、走行24万キロ以上、18歳の老体)で高速を走るのは数年ぶりである。しかも、今回は往復で軽く400キロを越える長距離高速ドライブ、ついこないだ「横揺れ」トラブル起こしたばかりのこのご老体、果たして大丈夫かいな…と、ちょっと、いや少なからず不安になる。
でも、いざ高速を走り出してみると、多少の横揺れと不安定感はあるものの、まあまあ走ってくれる。しかし、ドライバーも負けずに「ご老体」、高速に入って20分もせぬうちに、寝不足による睡魔に勝てず、安佐PAに入ってしばし仮眠をとる。
10分ばかりうとうとしてから10:08に再出発。お互いに「老体」をいたわり合い、80キロの速度制限を忠実に守りつつ走行、広島道⇒中国道⇒松江道(無料区間)⇒山陰道(ところどころ一般道になった細切れ高速)を経て、12:48にようやく米子東ICから出て、いざ大山への登り道へ。
米子東で出るまでに、安来あたりから、雪を頂いた大山の秀麗な姿が大きく見え始め、やはりムリしても決断して来てよかった…と、つくづく思ったことでした。
山陰道、安来あたりかた見え始めた秀麗伯耆大山
大山寺までの山岳舗装道路は、完全に除雪されていて、これならさくら(まお)ちゃんでも来れたのに…と少々悔しがっているうちに、入り口の広大な公営駐車場に到着。13;08、自宅「しげ爺草庵」から229キロ。約4時間ちょっとかけてやっとたどり着いたわけである。
まずは、腹ごしらえを…と有名な「大山そば」を食べるべく、急坂を上り、そして左の専用駐車場に停めようとすると、そこは除雪がほとんどされてなくて、スリップしながらやっと停められた。広島から230キロ走って来て、最後の10mでようやく「4駆+スタッドレス」装備のトラにぃの面目躍如だった…と、この時までは気をよくしていた。
名物大山そば。素朴な田舎味で、ちょっと辛かった
お目当ての大山そばの素朴な味を堪能して駐車場に戻ると、ちょうど中学生と小学生くらいの兄弟が、上からその駐車場までスキーで降りてきたとこだった。訊いてみると、かなり離れたスキー場からスキーでそのままここまでたどり着いたとこだとか。
思えば…18年前に日本を離れるまでは、かなり熱心にやってて、それなりの腕前だったスキーも、その後南国タイに移ってからは全く機会がなく、特に7年前の(この3・11で、もう7年になる!)交通事故での左膝の大怪我以後は、全くあきらめているスキーを久しぶりに目の前にして、複雑な感傷に浸っていた。
さて現実に戻って車に戻り、出そうとすると…かなりスリップしながらも奥から入り口まではなんとかバックで進めた。ところが、メインの坂道まであと2,3メートルのところになって全く前にも後ろにも進まなくなってしまった。
早速、このときに備えて用意してたスコップでタイヤの周りを雪かきし、何度も試みるが、どうしても動かない。
ちょうど坂道を下ってくる、元気そうな青年に「ちょっと押してみてくださいませんか?」と声をかけると、快く応じて下さったばかりか、スコップでの雪かきやらずいぶん献身的にやってくださるのだが、トラにぃ、いっこうに脱出してくれない。そのうちに坂道を降りてくる登山者やらスキー客やらが大勢集まってきてくれて、前後から押してくれたり、自分用の(登山用)小型スコップを取り出して雪かきに参加してくださるやら、さながら一大イベントと化してしまった。
その様子を「お、これこそFBネタ!」とばかりにスマホで撮りたい衝動にかられたが、ちょっと不謹慎かなぁ~と、控えた(したがって、この一大イベントの写真はありません。下のは、その直前に撮ったものです)
雪の深い駐車場になんとか入れた…まではよかったのだが・・・
そこに、大きな車で坂道を下ってきたオジサンがそのクルマで後ろから引っ張ってくださるというので、早速、これまた首尾よく用意してたワイヤーロープなど取り出してつないだところ…一発!
やっぱり、クルマの力に人間はかなわないなぁ~という意味の言葉を口々に交わしつつ、集まって下さってた若者たちは去っていった。
最初に一人で手伝ってくれた親切な青年には「連絡先を教えて下さい。あとで連絡しますから」とお願いしたが、固辞なさったまま、爽やかに坂道を下って行かれた。
というようなハプニングで30分近くタイムロスしたあとで、ただちになつかしい夏山登山口に向かう。1m近い積雪ながら、踏み跡はしまっていて、ワカン(輪カンジキ)なしでも少しなら上がれそう…ということで、杖だけで登り始めるも、やはり雪がだんだんやわらかくなり、それに帰りの時間も気になり始めたので、上り始めて10分足らずのところで、潔く引き返す。
登山口から10分足らずのこの場所で引き返した
出発は3時ちょっと前。そのままわが草庵まで直行…のつもりだったが、途中立ち寄った大山牧場からの「雪の伯耆大山」の雄姿がすばらしく、しばし呆然と見つめたり、撮影したりしてから帰途についたのだった。
大山牧場から仰ぎ見る雪深い伯耆大山
途中のPAで2回仮眠をとり、最終的に草庵に到着したのは19:25、出発して実に4時間半、236キロ。往復で466キロの長旅であった。老トラにぃも老ドライバー(小生のこと)も、よくがんばった。
すっかり暗くなっており、干したまま出た洗濯物は、すっかり冷えて湿っていた(涙)
やっと帰着、妹分まおちゃんの待つ草庵へ