さごたに通信

2012年1月24日 17:17:32 カテゴリ: 未分類

第1章 下関駅でのフェアリーな出逢い

親切な少女、Yちゃん

僕たちが中学校1~2年の、わずか2年間だけ母校広島学院に赴任なさってた恩師・林尚志(はやし・ひさし)先生が、このたび岩波書店から初の(?)著書「石が叫ぶ福音」を出版されたのを記念する祝賀会に参加すべく、はるばる200キロ離れた山口県の西端・下関に馳せ参じた2日間を、書こうとしています。

しかし、あいにく明日の夕方~夜にかけて、地元であるイベント(会議+宴会)を主催しており、その準備で、まとまった時間がとれません。

そこで、またもや「続く」の連発となるのをお許しいただく・・・という前提で、とりあえず書き始めました。

*  *  *  *  *

地元の駅五日市から普通列車に揺られること4時間弱、ようやく降り立った下関駅での、最初の出逢いから書き始めます。

しかし、上記のような事情なので、その「最初に出会った」少女の写真だけ、とりあえず掲載しておきます。

なお、この写真の掲載にあたっては「フルネームを公開しない」という約束で、ご本人の承諾を得ていますので、とりあえず「親切な少女、Yちゃん」とでも呼んでおきましょうか。

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(以下、文学的効果に鑑み(!)原則として常体で書きますので、ご了承ください)

11:11、広島市佐伯区の五日市駅を出発してから4時間近くの普通(鈍行)列車の旅を、その終着駅にして本州最西端の駅、下関で終える。

中央改札口に出る。改札の向こうに、23年前(1989年)に林神父様(まだ、当時は54歳であられたはず)が出迎えて下さったお姿がflashbackする。上石神井(かみしゃくじい、東京都練馬区)の神学院で最後にお見かけした1966年11月から、同じくちょうど23年ぶりに再会した先生に対して思わず発した第一声は、「おなつかしい!」でも「ごぶさたしています」でもなく、「先生、おでこ、ずいぶん広がりましたねぇ~」であったことを・・・。

車窓の外は、厚狭駅あたりから雨になっていた。傘の携行を忘れたので、どこぞで「100円傘」でも・・・と物色したが、500円はあっても、100円のはない。

林先生がセンター長を務められる「下関労働教育センター」は、駅から大した道のりではないので、得意の徒歩で・・・と思ってのことであったが、500円はちと高い。そう、赤貧洗うごとく・・の仙人的(?)日常を送る私としては、500円は大金・・それこそ、さらに高いタクシー代と大差ないではないか。

幸い、雨も少しく疎(おろそ)かになっている。よし歩こう・・・そう決意して、改札口の向かいにある大きな案内地図を見る。案の定、「労働教育センター」の表示はないので、最近買ったばかりの最新型ケータイのMAP機能を使って、なんとか位置を同定する。

そこへ、その地図の傍らに立っていた一人の女子高校生(と、その時は思った)が、向こうから声をかけてくれた。「どちらをお探しですか?」いまどきの高校生、しかも女子高校生にはめずらしい親切さと、言葉遣い(敬語)の美しさに、逆に少々ためらいつつも「いや、たった今、見つかったヨ。『しものせきろうどうきょういくせんたー』って言うんだけど、知らないよね?」と答えて、「このあたりだよ・・ほら、日和山公園の・・・」と言いかけるや、「日和山 ?! それなら、バスに乗ったほうがいいです。私、乗り場わかるから案内しますよ」と、生徒さん。「いや、大丈夫、歩くの慣れてるから」と答えるのを遮るかのように「外、雨です、それに・・・」と、私が背負ってた、撮影機材で膨れた大きなザックに眼をやりつつ。

気がついたら、その生徒さん(そうです。書き初めに「親切な少女Y]ちゃんと書いたのが、彼女です)に手を引かれて(誇張です、ハイ)、バス停の7番に向かってた。

「7」という番線の数字が見えてきた。「あ・・・あとは一人で行けるから、ここでいいよ」と言っても、無視するかのようにどんどん先導してくれる。「あそこで、だれかと待ち合わせてたんじゃないの?」というと、やっと振り向いてくれて「いいんです・・・」とやや寂しげに。ひょっとして、相手はカレシか何かで、待ちぼうけをくわされてハブテてるんかな・・・・と、オッサン特有の想像をめぐらしそうになるのを、必死で自制する。このお嬢さんの親切さと純朴な表情に、そんな「オッサンの勘繰り」は似合わない。

二人並んで遠くの横断歩道までぐる~っと迂回して、ようやく「7番」にたどり着く。すばやく時刻表を見て、「あ、11:35がありますね」と告げてくれる。自慢のSUUNTO腕時計をみると11:30近く・・・「じゃ、ついでにバスが来るまでお話してようか」というと、初めてにっこりとしっかり正視の眼(まなこ)を向けてくれた。といっても、生来口下手の私、こんな年下の(!)女性と話すなんて、塾で数学を教えること以外にはないんで、適切な話題も見つからない。さきほどの「いいんです・・」を、ちょっと追求してみようか・・・との邪念も芽生えそうになるが、やはり「自制」を貫く。

そこで、やむをえず、今日の祝宴のためにと、出掛けに大量コピーしておいた名刺を差し出して、その説明をすると「あ、ブログあるんですね!」。「ああ、ホームページ(と、またもやオッサン語)見てるんだね・・・ぜひこれも見てくださいね、君のこともきっと書くから・・・と約束した。

バスが入ってきた。別れ際に「高校生だよね?」と、ぼくにとっては、ごく当たり前の「つまらない」質問をしてみた。「いいえ、中学生です」「えっ!じゃ中3?」「いいえ、中1です」

バスに乗り込んで、左側の窓際に席を取り、手を振ろうかな・・と外を見ると、少女の姿は既になかった。

あの少女、ひょっとして、この本州最西端の港町に住むfairy(妖精)だったのかも知れない・・・「妖精」も、ブログ読んでくれるんかな?でも、確かにフルネーム、教えてくれたんだよね・・・ぼんやりと、あれこれ想いをめぐらせているうちに、降りるべきバス停「細江」を通過していたのだ。

(続く)

 

 

 

“下関にて・・・数え切れないほどの、すてきな出会い (1)” への5件のフィードバック

  1. 北野恵子 より:

    下関は朝から雪が舞っています。通信の続きを楽しみに待っています。

  2. 北野恵子 より:

    下関は朝から雪が舞っています。通信楽しみに待っています。

  3. ヒゲしげ爺 より:

    北野さん、下関では、大変お世話になりまして、ありがとうございました。すてきな出会いでした。
    早速のコメントありがとう…まだ書き始めのこの段階でいただけたとは!これから本格的に書き始める、強い励みになります。

    だけど、書きましたように、明日(あ、もう「今日」だ!)の夕方から夜中にかけて、2ヶ月に一度のちょっと大きな(?)イベントを主催するので、それまで、その準備にかかりっきりです…ちゃんと書き始めるのは、27日の早朝からになると思います。

    あ、ひとつ目のコメントの消し方わかりますか?最初にパスワードを設定していただいていると消せるんですけど…。ま、残ってても一向にかまいませんが(笑)

    雪…標高405mの当地でも、せいぜい舞っている程度です。

  4. 少女Y より:

    こんばんは!
    下関駅で出会ったゆかです☆
    ブログに登場させてもらえてとても嬉しいです☆
    ありがとうございます
    あの後、友達とカラオケで歌いまくりました(笑)
    これからも、ブログ読ませていただきます。

  5. ヒゲしげ爺 より:

    わっ、ゆかちゃんもコメントしてくれたぁーっ!うれしいナ。
    でも、せっかく「少女Y]って言ってるのに、本名だしちゃまずくない?

    実は、まだ続きを書き始めてなくて、ごめんなさい。今日、君が学校から帰って来るころには、全体を書き終わってはなくても、少なくとも「少女Yとの出会い」のところは書いてる予定だから。

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