本日、わが高校の同級生の集まりが開催され、我らの恩師である林尚志神父様の傘寿(80歳)のお祝いをすることになっている。実におめでたい集まりである。
そこに出席するためにわざわざ東京から戻ってくる畏友T君に、宴会の1時間前に会って、「ソーラー発電」の相談をすることになっている。
それに先立って、小生がこの8月以来収集した情報を、「自らの体験」と「また聞き」とに分けて整理しておきたい。これは、現在東京にオフィスを構えてソーラーを本格的に事業としてやっておられるT君から専門的な情報を承ることによって、小生の意見がどう影響を受けるかを試してみたいこと、そしてついでに、今だからこそ発せれられる「ソボクな疑問」と「カゲキな質問」とを存分に「書きなぐって」おきたいという衝動に突き動かされてのものである。
1. ソーラーに関して自ら味わった辛くてアホらしい体験
ことの発端は、この4月から、ひょんなことから家庭教師で数学を教えている生徒さんのお家が電気屋さんであり、その「電気屋さん」(以下、固有名詞的に使います)から「ソーラーをつけませんか?」と誘われたことに始まる。
実は、それよりはるか以前から、わが草庵の前に広がる、かつて田んぼだったところで、今は哀れにも草茫々たる土地(合わせても、せいぜい800平米)が、もったいないなぁ~、いっそここでソーラーでも…と考えていたものだから、話はとんとん拍子。その時点で私とその電気屋さんの共通認識は「資金はなくても、ソーラーの施設を担保に金融機関が優先的に低利で融資してくれる」「事業用(10kw以上)だから30年間は一定の買い取り価格(2014年度は32円・・・詳細は後ほど)が保証され、初期投資は約15年間で回収できるので、残りの15年間は一定の収入が見込める」というような、我ら零細農家(しかも、それほど広いわけではないのにも関わらず、年に数度の草刈作業などで休耕田を持て余している)にとっては、言ってみればバラ色の計画であった。
ところが、実際にハナシを進めていくにつれて、当初の「バラ色」は次第に色あせて、しまいには「枯れたバラの花」になりつつある。
いくつかのファクターの内で、なんと言っても決定的だったのは「ソーラーの施設を担保に金融機関が優先的に低利で融資してくれる」の下りが、結果的に大ウソだったのだ。
まず最初に、その電気屋さんと取引のある信用金庫3社と面談することになった。いろいろと話し合っている内に微妙な温度差があることがわかり、中でももっとも条件がよさそうで、しかも「ソーラー・ローン」と銘打ったローンを設定しているH信用金庫(以下H信)に絞ってハナシを進めていた。途中で地元の最大手H銀行も是非に…と懇願されるので、その電気屋さんの顔も立てるために、しぶしぶ会ってみた。その結果はサンザンだったのだが、まあ、名門H銀行さん(小生のメインバンクでもある)の名誉のためにも、ここでは伏せてあげましょう。
で、そのいちばん脈のあるとみたH信さんに「融資申込書」を出して返事を待ってたところ、数日後に電話。直接会って愛想よく話してくれた若い行員さではなく、「融資調査課の課長補佐(?)」とか言う方から、いかにも威厳のある声色で「ダメです」のひとこと。理由を聞くが、なかなか答えてくださらない。それでも、粘り強く、しかも丁重さを保って追求すると、「年収が不足です。それに、不動産は確かに広いですが、田舎の土地は担保としては認めませんので」
「では、これから建設するソーラーの施設そのものは?」と畳み掛けると「ウチは、ソーラーは担保にしません。」と慇懃に、しかし冷たく言い放って、電話をお切りになった。
わが耳を疑った。そのH信だけが「ソーラー・ローン」というのをうたってるのに、それが「ソーラー施設を担保にしない」とは! とぼとぼと帰宅してから改めてH信のHPで「ソーラーローン」の下りを詳しく読むと、「住宅リフォームと同様の扱いです」と書いてあるではないか。すなわち、住宅やアパートの建築なら、その完成すべき建物を担保にとるが、リフォームだと担保にするものがない。つまり、ソーラーの施設は、たとえそれが何百万、何千万であろうと、「転売ができないリフォーム」と同じだ・・・という意味である。
(銀行の人って、なんと頭いい!・・・そういえばわが高校でもちょっと頭のいいのが銀行に就職したよなぁ~)
これが決定的な障害となって、わがソーラー計画は暗礁に乗り上げたままである。
そこで、本日専門家であるT君に直接・・・ということに相成った次第である。
実は時をほぼ同じくして、すぐ隣の家(といっても「限界寸前集落」のこと、直線で200mは離れている)のおじいさん(子供の頃からかわいがってくださっていた)が、私に相談をもちかけてこられたのだが、これがまさに「ソーラー」だった。
このところ、来年3月の「締め切り」(詳しくはのちほど)を前に、なんとかソーラーを売りつけて一儲けしたくてたまらない業者さんたち(その多くはパネルメーカーの委託業者)が、休耕田を持て余している農家に目をつけて、日本中をうろつきまわっていて、ご多聞にもれず、比較的広い休耕田と「立派な家屋」(これがポイント!)を所有するそのおじいさん(Hさん)が目をつけられたというわけである。
その業者さん(なんでもKセラの委託とか)は、実に熱心に通ってこられ、Hさん自身は、「やってみようか・・・」という気に半ばなられているみたいなのだが、なんせ奥さんと、それに一人っ子であるお嬢さんが同意しないのだそうである。ハナシを伺ってみると、小生へのハナシよりはかなり条件がいい。担保のことも話題に上らないのだそうだ。でも、それは私の場合も当初は話題にならなかったのだから…と、次に業者さんが訪ねて見えた機会に質問してもらうと、やっぱしというか、案の定というか、その「立派なお屋敷」を担保に考えていたことを白状あそばされたとのこと…怒り心頭に達したHさん、即座にお断りになって、奥様もお嬢様もほっと胸をなでおろされたとのことである。
2. ソーラーに関して、洩れ承ってる、さらにアホらしい(?)情報
・ 政権党である J 党(総選挙が近いそうで、このあたりの表現、注意しないとね,・・・いきなりオマワリさんに踏み込まれてもね…笑)はM党が政権党であった時に成立したこの「定額・一定期間買取制度」を内心では大層苦々しく思っており、原発再開への思惑もあって、できれば早期につぶしたいと考えている、特に現在のA政権はそうなんだそうである。それは、A首相の母方の祖父であるK元首相(とっくに故人)が、そもそも日本にゲンパツを導入した張本人であることと、たぶん無関係ではあるまい…いろんな政治がらみの「しがらみ」やら、ひょっとして「利権」やらも。
・ どの討論番組でも、「ソーラーつぶしたい」勢力の論者たちは、「40円(+消費税)は高過ぎる」とご批判なさる。しかし、40円とは、2012年度に開始した場合の買取価格であって、その後毎年4円づつ下がって、今年度(2014)に開始する新規参入者が受け取れるのは32円に過ぎない。初期投資やら償却期間を考えると、この「わずか8円」が決定的な差であることは、少しでもクビを突っ込んだことのある方なら、容易にご理解いただけよう。
・ これも、いろんな討論番組にありがちな議論に「大手業者の利益のために、ビンボーな庶民が月額300円以上も負担させられるのは不条理だ」というのがある。確かに一理ある。一理はあるが、私自身やHさんのように「零細農家の最後の生き残り手段としての、取るに足りない規模の参画希望者たち」のことは、意図的に排除されている。
・ (そこで、提言ひとつ)
九電や東北電などが、現在買取りを拒否(とは、彼らは言わず「保留」という。しかし同じことである)している相手を、そのような「大手」に限定して、例えば「100kw以下の小規模参入者は拒否しない」というルールでも検討なさったらいかがでしょうか?
まだまだ、書きたいことは山ほどあります。おそらくこれまで書いたことの10倍以上は。でも、ここらで閉じて、あとはT君との清談を俟つことにします。