「まあ、そのスルドイ視線は、どうでもいいや、あとでなんとかなるサ・・・」
宴が盛りとなるにつれ、周囲から、またはお銚子を持って歩き回る厳島神社の若い禰宜さんたち(こちらは、全員男性)から、次から次へと酒を注がれるうちに、平素は小心者の私も次第に大胆になってきて、だんだんそんな気分になっていくから、酒というものはつくづくコワイものである。ある意味、大麻(マリファナの方)よりも怖いかもしれない。もちろん、私はそっちの大麻は見たことさえありませんが(阿蘭陀に旅行した日本人は、よく誘惑されるそうだ…と、かつて私の部下だった阿蘭陀人の若いニィちゃんが教えてくれました)
そんな中にも、必要なマジメな話はちゃんとしており、例えば、今進めている「八王神社」の来歴について、どの宮司さんに相談したらいいか・・・という情報の収集にもあたりました。ついに、最も相応しい情報をお持ちの宮司さんの名前に行き当たったのですが、あいにく今日はご欠席とのこと、後日改めて神社をお訪ねすることとなりました。
更に・・・厳島神社の若い禰宜さんを捕まえてかなり唐突に「昨今の神社庁は、戦前の国家神道の臭いを次第に復活させつつあるように感じるけど、どう思う?」と突っ込んでみたり(あいにく、それへの禰宜さんからの回答は「立場をわきまえた、当たり障りのない」もので、かなりガッカリでした。
宴たけなわ、いよいよこれから・・・という頃になって、突然「おい、いぬるで(帰るぞ)!」という大声がかかった。かなり離れたところに集まっていた、わが大森八幡の総代仲間の二人が、飛び離れたボクの席まで「迎えに来た」のである。「そぉやって、べっぴんさんといつまでもイチャイチャしよっつらぁ、おいてぬるで!」(イチャイチャしてたら、置いて帰るぞ!)と。やはり、案の定というか、最初から感じていた「冷たくスルドイ視線」は、最後まで持続してたのだった!しかも、先方さんも、かなりご酒を召していらっしゃるご様子。
事実は・・・くだんの若い女性禰宜さんたちとは、最初の挨拶以後はほとんど話をしておらず、もっぱら厳島神社の若い(男性)禰宜さんたちを相手にしていたのだけど、そう反論して治まる状況にない。「先入観」とは、けだし恐ろしいものである。
やっとなんとか「許されて」7名一緒に船着場から乗船し、宮島口まで出迎えて下さっていた我らの運転手さんに導かれて、一路我らの根城である大森八幡を目指したのであった。
50分足らずで到着、すぐ向かいにあるファミレス「団栗亭」で、改めて〆の会をやり、やっと解散したのは、すでに17時近くであった。
(完)