ハカセとひとしきり話し終えると、今度はこの「ぞうさんカフェ」のオーナーにして「ミチ・コーポレイション」代表の植田ひさしさんが現れた。先刻来の「I-U論争」をがさらに深まり、いろいろと教わることが多かった。このディープな論争については、近々稿を改めまして・・・。
話に夢中になっているうちに、気がつくと既に数人のお客さんが回りに。はるばる浜田からいらっしゃった先輩ご夫妻やら、なんか独特の雰囲気を醸し出してるオジサンやら(この方はコウさんと呼ばれていて、映画の後、見事なワンマンショーを繰り広げられることに)。
そして、皆からはちょっと離れた隅っこの暗がりには、なんと地元の女子高校生がたった一人で!
なお、「はるばる浜田から」と書いたけど、浜田からここまでは40分とか・・・70分もかかった我が家よりも遥かに近い・・・ここが古来より、そしてたぶん今でも「石見文化圏」であることを如実に感じたのであった。
その他には、「語り部」と書かれた名刺を下さった大先輩もいらっしゃって、この地域や私の住む地域のことにもお詳しそうであった。もっとお話を・・・と思っているうちに「映画祭」が始まった。
「花とアリス」という、巨匠岩井俊二監督の2004年の作品で、共同主演の 蒼井優と鈴木杏の11年前の若い姿を目にすることが出来た。ストーリー自体はありきたりの、いわゆる青春モノだけど、岩井監督独特の、品のあるコミカルさが要所要所にちりばめられていて、十分にオトナも楽しませる作品であった。主要な部分は、この二人の女子高校生と、二人から「せんぱい」と呼ばれる男の子の3人だけで演じられ、時々登場する「脇役」として、阿部寛やテリー伊藤など当時既に大物俳優だったのが、ホンのちょっとだけ出て来るというのもご愛嬌、その「品のあるコミカル」に花を添えていた。
終演後、僕がまっ先に手を挙げて、上記のような感想を述べた後、「せっかくホンモノの女子高校生が見てらっしゃったんだから、ぜひ感想を」とむちゃぶりしたのだけど、おっとりした雰囲気のRさんは、ただニコニコなさっているだけだった。
映画が終わるのと相前後して、植田オーナーとハカセが地元の集会から帰ってこられ、さあこれからいよいよホンバン開始という雰囲気が増してきた。
植田さんは、一人の若い女性を伴ってこられて、なんとマレーシアから「日本を見聞するために」あちこちと旅行し、たまたま今は植田さん家にホームステイしている人ということだった。
Yuiさんというその女性は、たまたまボクの隣に着席なさり、最初は彼女のカタコトの日本語で、途中から、今度はボクの方がカタコトである中国語での会話を試みたが、どうも普通話(プートンホア=北京語)があまり通じなくて(ボクの発音が良くないせいもあったかもしれませんが、マレーシアの中国語の発音は独特です)、しまいには、お互いに対等にカタコトである英語での会話に落ち着いた。Yuiはもちろんニックネームで、「本名は?」と尋ねると、なんとスマホからご自分のパスポートを写したのを見せて下さり、ついでに生年月日までわかってしまった(笑) ヒミツです。
別に政府からの派遣制度というわけでもなく、完全に自費で、しかも日本の前には韓国にも同様に「見聞のために」数ヶ月間滞在したという独身女性・・・マレーシアおいう国も、いつのまにかリッチな国になったものだ・・・と、13年前まで隣国タイ王国に住んでいた者としては、感慨深いものがあった。
(ちょっと休憩)